思春期の子どもたちを支えるために

研究会の考え方

考え方

思春期の問題をとらえる


九州思春期研究会は思春期の健康問題を取り扱います。たとえば思春期の性の問題は子どもの成長過程のなかで体と心の総合的なもので成り立ってます。子どもの全成長は「入り口」であるお母さんのお腹の中にいるときから始まります。親子がともに環境の中でどのように、お互いが育っていくかがとても大切なことだと考えてます。

思春期の子どもの居場所


思春期の子どもたちの多くは、学校に通い、学校以外では地域や家庭が居場所と思われがちです。しかし、学校に行けない(行かない)子どもも決して少なくありません。学校に行けない(行かない)子どもたちにとっては、自分の部屋、外ならばゲームセンターやコンビニの前などが居場所になっていることが多いようです。今、子どもたちは自分の心の居場所を求めています。

思春期の子どもたちを支える


思春期の子どもたちにおける社会的な問題がとても多くなってきています。この九州も例外ではありません。このような状況では思春期の子どもたちばかりに目が向くのは自然なことですが、もっと幅広く、子どもの全成長過程から総合的にその問題を捉えてみたいと思っています。いわば、子どもの成長の時間的なプロセスとしての「縦」の連携と家庭や学校、地域など社会的、空間的な「横」の連携を考えることが大切だと考えます。

「縦」の連携とは


思春期は突然はじまるわけではありません。子どもたちは、お母さんが妊娠してから、たくさんの専門家やさまざまな人々に支えられ、交流しながら成長し、その土台の上に思春期という過程が生まれるわけです。思春期だけに目を向けず子どもが生を受けた母の胎内である、いわば「入り口」から親と子の育ちをサポートする「縦」の連携を大切に考え、広げていきたいと考えています。

「横」の連携とは


子どもたちはいろいろなことを学校だけで学んでいるのではありません。思春期の問題も同じです、学校の教育や指導だけで十分だとは決して言えません。地域や家庭、学校との結びつきを通して総合的に考え、対応していく必要があります。その「横」の連携を広げていきたいと考えます。

専門家の「連繋」から「連携」へ


以上述べてきたように思春期の問題に対応するには「縦」の連携と「横」の連携が大切です。連携が生み出されるためには、まずは人と人との連繋(つながり)が必要です。「縦」の連携には助産師医師、保健師、保育師、幼稚園養護教諭、教師、などが連繋していることが求められます。「横」の連携には、教師、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、医師、保健師、助産師、人権擁護委員、主任児童委員、各種施設従事者などが連繋していることが求められます。

研究会の活動方針

活動方針

いろいろな方々の連携をつくります


まずは、思春期保健相談士の方々の連繋をつくります。そして思春期保健相談師の方々と学校の教師の方々の連繋を取り持ちます。そこから、地域独自の「連携」が生まれていくことを期待しています。また、これをモデルとして、各種の専門家の方々の「連携」に発展していくことを考えています。

そして実践を分かち合います


思春期の問題はいわば「出口」であって、子どもの今までの成長過程の総合的なもののひとつの表れです。そんな中で「私たちは何をするべきか」ということをコンセプトに各種団体や地域の取り組みなどの実践活動を年に一度、研究大会という形で、最新の状況を学びつつ、実践の成果や課題を分かち合いたいと考えます。

「入り口」から親子をサポートします


思春期は前にも言いましたように子どもの成長過程のひとつの「出口」です。妊娠という「入り口」から、私たち専門家がどのように連携のバトンタッチをしていけばいいのかを考えます。いわば「縦」の連携です。誰もが感じてはいてもなかなか実践にはうつせないこの「縦」の連携をこの九州でできるだけ多く持ちながら、またその「連携」を支援していきたいと考えます。

学校の性教育を考えます


学校では性教育(性に関する指導)が重要なことはもちろんです。私たちは学校での性教育の問題についても現実の子どもたちの性の問題に沿った形の新しい性教育実践を考え、実践開発していく。そんなセミナーや研修会を企画したいと考えます。

地域・家庭・学校をサポートします


子どもたちは学校だけで生活し、学んでいるのではありません。今の子どもたちをサポートするには、地域と家庭と学校との連携が絶対に必要です。誰もが必要性を感じているこの「連携」ですが、なかなか難しいのも現状です。地域の特徴や文化、習慣を活かしながらもっと広くつながる新しい時代の「連携」のあり方を考えていきたいと思っています。